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原状回復工事と改修工事、どこが違う?実はほぼ同じなんです
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- 投稿日:2025年05月5日
このページの目次
オフィスの移転や閉鎖を進める際、必ずといっていいほど耳にするのが「原状回復工事」という言葉です。
賃貸契約における退去義務の一環として、借りたオフィススペースを入居時と同じ状態に
戻すために行われる工事であり、オフィス移転プロジェクトでは重要な工程のひとつとされています。
一方で、「改修工事」という言葉も、移転先のオフィスを整える段階や、
既存ビルのリニューアル計画などの場面で登場することがあります。
改修工事は建物の機能を回復させたり、より使いやすい空間にアップグレードしたりすることを
目的とした工事であり、原状回復とは一見別物に思われるかもしれません。
しかし実際には、原状回復工事と改修工事は、目的や工事後のゴールが異なるだけで、現場で実施される作業工程や必要とされる施工技術は非常に似通っているのです。
どちらの工事でも、内装材の撤去・下地の補修・仕上げ施工・設備の調整や撤去といった、
専門的な施工が必要不可欠となります。
今回の記事では、「原状回復工事」と「改修工事」という二つの工事の違いを
わかりやすく整理しながら、なぜ現場作業がほぼ同じになるのかというリアルな事情についても、詳しく解説していきます。
オフィス移転やリニューアルを検討している方にとって、工事計画を進めるうえで役立つ情報となれば幸いです。

原状回復工事と改修工事、どこが違う?実はほぼ同じなんです
原状回復工事とは?
原状回復工事とは、借りたオフィスや店舗を、契約開始時の状態に戻して返却するために行う工事を指します。
賃貸物件においては、借主には「原状回復義務」が課せられるのが一般的であり、オフィス移転やテナント退去の際には欠かせない工程のひとつです。
この原状回復義務は、単に「きれいにする」という意味ではなく、
契約当初に存在していた壁、床、天井、設備などを復元することを求められるものです。
また、借主が入居後に行った内装変更や設備追加も、撤去や復旧の対象となる場合があります。
原状回復工事の主な作業内容
原状回復工事で行われる代表的な作業には、次のようなものがあります。
- 間仕切り壁や内装材の解体・撤去
(オフィスレイアウトのために設置した造作壁など) - 床材・壁材・天井材の撤去や張り替え
(タイルカーペット、クロス、ジプトーン天井などの交換) - 空調設備・照明器具などの撤去・復旧
(後付けエアコンの撤去や、ビル既存設備への復旧作業) - 配線・配管の整理、不要配線の撤去
- 最終クリーニング作業
つまり、単なる清掃ではなく、物理的な解体・復旧工事を伴う本格的な作業だという点がポイントです。

▲施工例:横浜市オフィスビル 原状回復工事(解体写真)
原状回復の基準はガイドラインで確認を
原状回復の範囲や内容については、
国土交通省が公表している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」
が参考になります。
このガイドラインでは、以下のような考え方が示されています。
- 通常損耗や経年劣化部分の修復は貸主負担
(例:日焼けによるクロス変色、通常使用による床摩耗など) - 借主が設置・変更した部分の復旧は借主負担
(例:造作壁設置、穴あけ、床材張り替え) - 契約で特別な特約がある場合は、そちらが優先される
つまり、すべてを借主が直さなければならないわけではないのです。
契約内容を確認し、ガイドラインに照らし合わせることで、
無駄な工事費用や敷金トラブルを防ぐことができます。
改修工事とは?
改修工事とは、建物や施設の機能を維持・回復・さらに向上させることを目的とした工事を指します。
原状回復工事が「元に戻す」ことを目標とするのに対し、改修工事は「今よりも良い状態にする」ことを重視して行われます。
このため、改修工事は単に劣化した箇所を修復するだけではなく、
新たな機能追加やデザイン刷新、耐震補強やバリアフリー対応など、建物の価値を高めることを視野に入れた工事が含まれるのが特徴です。
改修工事の実施対象
改修工事は、賃貸契約に限らず、次のようなケースで広く行われます。
- 自社ビルを所有する企業によるオフィスリニューアル
- 商業施設やテナントビルの共用部改修
- ホテルや病院など大規模施設の設備更新
- マンション共用部(エントランス・廊下など)のリノベーション

▲施工例:新宿区 ビジネスホテルの天井改修工事写真です。
特にオフィスビルでは、競争力維持のための定期的な改修工事が欠かせない時代となっています。
改修工事の主な内容
改修工事で行われる代表的な作業には、次のようなものがあります。
- 劣化した設備(空調・給排水・電気)の交換
- 壁・床・天井材のリニューアル施工
- 耐震補強工事
- バリアフリー化対応(段差解消、スロープ設置など)
- レイアウト変更に伴う間仕切り設置・移設
- デザイン刷新によるエントランスやロビーのグレードアップ
特に近年では、オフィス空間の快適性向上や、リモートワーク環境整備を目的とした内装改修が増えています。
例えば、リフレッシュスペースの新設や、集中作業ゾーンの整備など、働き方改革を意識した改修もトレンドとなっています。
改修工事のメリット
改修工事には、単なる美観回復以上のメリットがあります。
- ビルや施設の資産価値向上
- テナント満足度の向上・空室率の低下
- 建物の長寿命化による資産保全
- 省エネ性能向上によるランニングコスト削減
これらの効果を得るために、多くのオーナーや企業が積極的に改修工事を取り入れています。
実は現場作業はほとんど同じ?
原状回復工事と改修工事。
一見すると「元に戻す工事」と「より良くする工事」で、目的は大きく異なるように思えます。
しかし、実際の施工現場に立つと、行われている作業内容は驚くほど似通っているのが実情です。

▲施工例:新橋にて改修工事のパテ処理作業写真
共通する主な作業工程
例えば、どちらの工事でも次のような工程が共通して行われます。
- 壁や天井材の撤去・解体作業
(既存のクロスやボード材を剥がし、下地をむき出しにする工程) - 軽量鉄骨(LGS)による下地組み直し
(間仕切りの再構成や補強を行う) - 新しい内装材(クロス、床材、天井材)の施工
(ビル規定やデザインコンセプトに合わせた新しい仕上げ) - 空調・電気・給排水設備の撤去・更新
(古い設備を撤去し、新しい仕様に整える) - パテ処理・塗装仕上げ
(石膏ボードのジョイント部やビス跡を均し、美しく仕上げる工程) - クリーニング作業
(施工完了後に、現場を清掃し引き渡しできる状態に整える)
つまり、原状回復工事も改修工事も、施工技術者が行う作業そのものには大きな違いがないのです。
なぜ作業内容が似るのか?
現場作業が似ている理由は、工事の本質にあります。
- 建物の一部を撤去し、整え直すという「工程」は共通している
- 素材の扱い方(ボード施工、クロス貼り、床貼りなど)が同じ
- 配線・配管の処理や設備の更新作業も同様の技術を必要とする
- 現場安全管理・工程管理のスキルも共通して求められる
つまり、
「元に戻すか」「より良くするか」という【目的の違い】はあるものの、
「行う作業の種類」や「求められる施工技術」はほぼ同じ、というわけです。
違いが出るのは設計意図と素材選定
ただし、ひとつだけ現場で違いが出やすいポイントがあります。
それは設計意図と素材選びです。
- 原状回復工事では、もとの仕様に忠実に復旧することが求められる
- 改修工事では、デザイン性や機能性を高めるため、素材グレードが上がることが多い
たとえば、原状回復工事では「標準品のタイルカーペット」を貼るだけですが、
改修工事では「デザイン重視の高級フロアタイル」を採用するケースもあります。
つまり、
作業自体は同じでも、「どんな素材・仕上げを目指すか」によって工事のニュアンスが変わるのです。
業者選びのポイントは?
原状回復工事も改修工事も、
現場作業が似ているからこそ、対応できる業者の質が非常に重要です。
表面的には同じような作業に見えても、契約条件やビル管理ルールに応じて
臨機応変に対応できなければ、トラブルや追加費用発生のリスクが高まります。
そのため、信頼できる業者を選ぶことが工事成功の鍵と言えるでしょう。
業者選びで必ずチェックしたいポイント

業者選びのコツ
以下の点を重視して業者選びを行いましょう。
✅ 豊富な施工実績があるか
- 原状回復工事・改修工事ともに幅広い案件経験がある業者は、現場特有の問題にも柔軟に対応できます。
- 特にオフィスビル、商業施設、医療施設など、多様な物件ジャンルで実績があるかを確認すると安心です。
✅ 自社施工体制を持っているか
- 施工をすべて外注に丸投げしている業者よりも、自社で職人・管理スタッフを抱えている業者のほうが、品質管理・スケジュール管理が正確です。
- 自社施工なら、万が一の変更対応も迅速に対応でき、コストパフォーマンスも高まります。
✅ 細かい要望に柔軟に応えられるか
- オフィス移転・リニューアル工事では、ビル管理規定・オーナー都合・テナント独自ルールなど、さまざまな制約が存在します。
- それに対して「できません」ではなく、代替案や調整策を提案できる柔軟性がある業者を選びましょう。
✅ スケジュール管理・コスト管理がしっかりしているか
- 工期の遅延や、想定外の追加費用発生は、オフィス移転・退去プロジェクト全体に大きな影響を与えます。
- 着工前に工程表・見積明細を詳細に提示してくれる業者かどうかをチェックし、
さらに、進行中もこまめに進捗共有してくれるかを確認しましょう。
改修工事の実績が豊富な業者なら、原状回復も安心
特に改修工事の経験が豊富な業者は、
- 設計意図を汲み取る力
- 新しいレイアウトや設備への対応力
- 現場での突発的なトラブル解決力
に優れています。
これらのスキルはそのまま、原状回復工事においても大きな強みになります。
原状回復工事は「単なる解体と復旧」ではなく、
「ビル管理側の検査をクリアし、敷金返還にも影響する大事な工事」です。
だからこそ、改修工事のノウハウを持った業者に依頼することが、最も確実な方法と言えるでしょう。
まとめ|オフィスの原状回復ドットコムにお任せください
原状回復工事と改修工事は、呼び方や契約上の位置づけこそ異なるものの、
現場で求められる施工技術や進行管理能力は非常に似ています。
だからこそ、
どちらの工事にも精通した施工会社に依頼することが、工事成功の最も確実な方法です。
「オフィスの原状回復ドットコム」では、
- オフィスや店舗の原状回復工事
- ビル共用部やオフィス内装の改修工事
の両方において、豊富な施工実績と高い専門性を持っています。
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こちらのブログも是非ご参考ください。
オフィスの原状回復工事とは?現状回復・原状復旧と何が違うのか?
▽英語版ブログ
Restoration vs Renovation: What’s the Difference? They’re More Similar Than You Think
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