お世話になっております。

オフィスの原状回復ドットコムのYでございます。

 

 

今回は、

 

石膏ボードの調湿性について 

 

というテーマでお話させていただこうかと思います。

 

 

以前、石膏ボード材の規格・厚みによる違いとは？　という記事を書かせていただきましたが、今回はさらに石膏ボードの違う側面を掘り下げてみようかと思います。

 

普段、天井や壁として収まってしまっているためあまり意識することはないかもしれませんが、現在最も使用されている内装材であるため、参考になれば幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

石膏ボードの基本的な特徴について改めてご説明

 

 

 

 

 

石膏ボードは現在において、天井・壁の内装下地材において最も普及し、使用されているボード材です。

 

材料の特性として最も挙げられる特徴は、不燃性が高く、面での耐久性が高い点です。

さらに、遮音性も高い点も挙げられ、現在の内装ボード材のほとんどに石膏ボードが使用されております。

 

 

 

 

石膏ボードのもう一つの特徴【調湿性】

 

 

石膏ボードは空気中の水分を吸収し、室内が乾燥してきた場合は放出する特徴があります。

 

その名の通り、石膏を原材料としており、表面に専用の紙が巻かれているボード材であり、調湿性については石膏そのものの特徴と言えます。

 

ただし、調湿性を活かすためにいくつか注意しなければならないこともありますので、それらを後述していきます。

 

 

 

 

石膏ボードの調湿性を活かすにあたり、注意すべき点

 

 

石膏ボードは調湿性が高いボード材ではありますが、水気が直接かかるような建物外部や、浴室内、シンク周りなどへの使用は避けるべきとされております。

 

石膏ボードは水分を吸収できますが、許容量を超えると強度が低下し、脆くなってしまいます。

特に雨漏りなど、ボード材へ水が当たる事が常態化してしまうと、穴が開いてしまう可能性が高いです。

 

同様に、カビにも注意です。湿度が高い箇所では石膏ボードが溜めこんだ湿気を解放できず、カビが生えてしまいます。

クロスや塗装による仕上げの際、調湿性が下がってしまう施工の場合は特に注意が必要です。

 

一般的にはビニールクロスは手軽に石膏ボードで施工された壁を綺麗に仕上げることができますが、調湿性が下がってしまうものが多いです。

塗装の場合も同様に塗膜が張られるため注意が必要です。

 

結露が発生しやすい、温度変化が激しい箇所などでは、仕上げを調湿性の高いクロスや塗装、左官仕上げに変えたり、除湿機を稼働させたり換気をしっかり行うなど対策が必要です。

 

 

 

 

より調湿性の高い施工を行うには

 

 

石膏ボードにも複数の種類があるため、より調湿性の高い石膏ボードを使用することも効果的です。

 

吉野石膏製の『タイガーハイクリンスカットボード』や、チヨダウーテ製の『さわやかせっこうボード』などは、吸放湿性の高い素材を添加した石膏ボードです。

 

『さわやかせっこうボード』は、石膏に珪藻土（植物性プランクトンの化石。多孔質で吸放湿性や吸音性が高い）を添加し、吸放湿性を高めていますが、
珪藻土は左官仕上げの塗り壁にも使われます。

珪藻土による左官仕上げは、上記の機能性石膏ボードと同様に効果的であり、さらに組み合わせることで効果を増強することも可能です。

 

 

 

 

 

 

 

また、先ほど石膏ボードの調湿性を阻害しがちとご紹介したクロスですが、近年では吸放湿性の高いクロスも存在しています。

クロスは各社から様々な機能性クロスが出ておりますが、吸水性ポリマー（紙おむつや、保冷用ゲルなどに使用される）や、前述いたしました珪藻土など、様々な素材により石膏ボードの調湿性を助け、増強したり通気性を付加したりしています。

 

このように、石膏ボードそのものの調湿性を増強する方法は多数ございます。

見た目や、効果の相性もございますので詳しくは私たち施工業者にご相談ください。

 

 

 

 

まとめ

 

 

以上、今回は石膏ボードの調湿性について お話させていただきました。

 

石膏ボードに限らず、内装材は日進月歩であり、少しずつ機能が改善されております。

壁一面や全体的な修繕などにより、石膏ボードを貼り替えることを検討する際は、今回の点を少しでも思い出していただければと思います。

 

調湿に限らず、その他ご要望がございましたら施工のお見積りなどの際、その旨お伝えいただければご提案させていただきます。

 

 

簡潔なまとめ

 

 

• 石膏ボードには調湿性があり、湿度に応じて空気中の水分を吸収・放出を行う
• しかしながら、通常のビニールクロスや塗装などの仕上げでは調湿性を阻害してしまう可能性がある
• 石膏ボードの調湿性は調湿性石膏ボードを使用したり、珪藻土左官仕上げなどを行う事でさらに向上させることができる

 

 

石膏ボードや、その他ボード材が持つ複数の特性をそれぞれ生かした施工により、内装の様々な箇所の施工が可能です。

 

新たに間仕切壁を施工する場合、どのような箇所にどのような用途で使用するか明確にしていただき、ご相談いただければと思います。